BE VOW LOCKED

スーパーエキセントリックメランコリーメトロポリタン日記

大男の上司に軟禁されかけた話

『こんにちはおじさん』という二つ名を持つ同じ課の上司が、3ヶ月以上もの間、しつこく俺を食事に誘い続けていた。50代。巨漢。強面。「おじさん」という語感とは裏腹に親しみやすさは全くなく、常に高圧的な喋り口調。体重は約0.1トン。俺が結婚以前、当時の彼女(今の妻)と一緒にいるときに街のメシ屋で偶然2度もエンカウントしてしまい、「こんにちは」と話しかけてくることから『こんにちはおじさん』と名付られた。適当すぎる。

何故3ヶ月以上もその大男が俺を、そして妻も一緒に食事に誘ってくるのか、今もその詳しい理由は謎に包まれているのだが、考えられる理由としてはいくつか心当たりがある。

1.俺が新婚だということ(結婚祝いも兼ねて?)

2.大男の住む新築の一軒家の近くに俺の妻の出身地(雪国)の特産品を扱う小洒落た料理屋ができた

3.同じ課の部下からの信頼を得たい

4.俺のことが好き

 

たとえどんな目的を持っていても、俺がその大男と会食する理由にはならないし、そもそも俺は会社の人とプライベートの時間を絶対に作りたくないマン(飲み会は別)なので、その大男の誘いをヘラヘラしながら断り続けていた。

おれが結婚して今の部屋に住み始めたのが1月中旬。食事に誘われ始めたのは2月頭くらいか。覚えてはいないが、その数週間後にはナントカウイルスが流行り出し、自粛ムードでその話が自然消滅することを俺は望んでいた。なのに、6月に入り緊急事態制限が解除されるや否や、「そろそろどうだ」「嫁さんは行けるのか、大丈夫なのか」「ご馳走してやるからよ」「次の土曜日の12時はどうだ」と以前よりもアポの取り方が具体的になり、パワーアップして距離を詰めてきた。解除されるや否やだ。アズスンアズこんにちは。アズスンアズ大男。

 

 いや、お前が誘ってんなら奢るのは当たり前だろうが。そもそも行きたくねえんだって。人間になりきれなかったモンスターだから他人の気持ちがわからないのか?しかもなぜランチ?相場は飲み会じゃねえの?俺も嫁も酒が好きなのは知ってるだろ?お前が勤務中に何度もしてくるクソつまらん雑談に合わせて教えてやっただろ?奢るなら謎ランチじゃなくて旨い酒を奢れ?しかもなぜ土曜日?休日なんだが?新婚の休日なんだが?休日出勤しろってか?その時間を奪うほど楽しい時間をお前は提供してくれるんか?小洒落た郷土料理屋?全然行きたくねえよ。へんな郷土料理よりビッグマックの方が美味いだろうが。大男が郷土料理を食うな。ビッグマックを食え。

 

そんなモンスターにも人間の子供が2人いる。次女は同居中の高校生、長女が実家を出てその雪国で大学生をしているという。それに勝手にシンパシーを感じたのか、ことあるごとにおれを呼びつけてその雪国の話をしたがった。失敬、話をするというのは語弊があり、喋っているのは大男だけでおれは言葉のサンドバッグ状態。渇いた相槌、死んだ魚のような目で、あたかも知っているように話を合わせる。相手を気持ちよく喋らせる技術は、新卒で入ったブラック会社の営業対話スキルで培った。こいつはしゃべるタイプのコミュ症だ、おれとは真逆、水と油である。前提として、この大男は社員から好かれてもいないし尊敬もされていない。おそらく根は優しいが、その高圧的な喋り方と見た目で話しかける人皆傷つける。人間の友達がいないのである。それに加えてケチ。これは余談だが以前、全く行きたくないキャバクラに連れていかされ、何故か割り勘をさせられた過去がある。そのときのおれは確かペルー人の嬢とワールドカップの話をしただけだった。ケチエピソードはそれだけに留まらず、住む期間が定められている家賃が格安の社宅に、つい最近まで20年ほど居座り続けていたという。ようやく家を買い社宅からの退陣をしたが、そのケチさは全社員からの折り紙付きであった。

(新卒で入った会社についての過去記事↓)

simerma.hatenablog.com 

そんなせせこましい大男と食う土曜日のランチの時間になってしまった。おれは押しに負け、会食を承諾してしまったのだ。何度も同じ男に告白されて付き合う女の気持ちが少しだけわかったような気がするが、おれはその大男の気持ちが今でもわからない。

 

その店は比較的綺麗な店であり、小料理屋というよりは甘味処という感じだった。1種類しかないランチ定食を大男がおれたちの分を含めて3つ頼み、「家はこの店のすぐ裏にある」「娘の大学の近くは雪がたくさん降る」など、すでに300回聞いたクソつまらない雑談をした後に料理が運ばれて来た。体に良さそうな、ランチ。味が薄く、ごちゃごちゃ野菜が入っている女子にウケそうな、そんなランチ。おれが望むビッグマックとは対極にあるような味付けだった。

最初から料理の味には期待していなかったし、むしろ上司、妻、おれの3人という謎の面子で食うメシはビッグマックでも美味しくない。おれたち夫婦は当初の作戦である「さっさと食ってさっさと帰る」を全うし、出会って1時間ほどで会計を済ませることに成功した。デザートを食うというサブクエストもなんなくクリア。5千円札を笑顔で支払う大男におれたちは愛想を振りまいた。

「ごちそうさまでした、ありがとうございます。」妻からも今までに見たことのない作り笑顔が見えた。いいぞ、乗り切ったぞ、なんとか無事にこの休日出勤を終えることができたぞ、さあ早く帰って酒を飲む準備だ。そんなことを思いながら店を出たおれたちに、モンスターはこう言った。

 

「ウチに寄っていけよ。今誰もいねえからよ」

 

 

一瞬何が起こったのかわからなかった。

 

「いやいや!大丈夫です!」

「いいからいいから、近くだからよ」

「本当に大丈夫です!」

「遠慮しなくていいからよ」

 

そう言って先陣を切って歩く大男の後ろでおれと妻は目を丸くした。距離感の詰め方が異常なほど強引なのか?それとも本当におれたちが遠慮しているだけだと思っている脳内ハッピーセット野郎なのか?どちらにしても、言語が全く通じない未知の生物に遭遇したような感覚になり、今までに経験のない恐怖がおれたち2人を襲った。怯えきった様子の妻を横目に、おれはそのUMA(未確認生命物体)の後ろで中指を立てることしかできなかった。

 

そこから先のことはあまり覚えていないが、確か、新品のスリッパを履かされ、リビングのソファに2人で座らされ、そのソファのリクライニング機能、玄関先の収納スペースの多さ、徒歩でスーパーや薬局に行ける立地の良さなどを自慢されたと記憶している。向こうからの一方的なコミュニケーション。自慢を聞くだけの時間。無勉強で臨んだTOEICのリスニング問題かのように、言葉が耳をすり抜けていった。

ここまでの出来事を要約すると、おれたちは車で30分の距離の場所にわざわざ足を運ばされ、新しい住処や家具を自慢させられ、訳の分からないランチを食わされ、クソみたいな世間話をさせられ、家族という他の目撃者がいない隙に軟禁された、ということになる。奇跡体験アンビリバボー。終わりが見えない怖さと、上司の家という特殊な環境下における精神的疲労は計り知れなかった。

 

しかし、解放の瞬間は突然やってくる。

 

 

 ガチャリと玄関の開く音がした。どうやら同居している次女らしかった。おれたちは今しかないと立ち上がり、挨拶をする流れでそのまま脱出しようと玄関へ向かった。おう、まだゆっくりしていけよ。いや、本当に大丈夫です、あの、買い物とかもしなきゃいけないんで、本当に、失礼します。おうそうか、じゃあそこまで送るぞ。あ、はは、はい。

 

なぜそこまで追跡したがるのか本当に理解が出来なかったが、そのままおれたちは何とか逃げ切り、車に乗ってその場を後にした。命に別状はなく、大事には至らず、峠は越え、母子共に健康。そうだ、おれたちは勝ったんだ。

 

 

今思い出しても身の気がよだつ出来事だった。その時は冷静に考える事ができなかったが、今改めて振り返ると、あの軟禁未遂事件は、知能ではなく腕っぷしや喧嘩の強さだけで社会を生き抜いてきたあの大男なりのOMOTENASHIだったのかもしれない。よく言えば、不器用。ただ、そんな茶目っ気のある3文字の日本語でおれたちが経験した恐怖や不快感、疲労感を片付けて欲しくはない。そしておそらく残念なことに、令和のこの時代にも、未だに自分なりの正義や腕っぷしだけで社会や会社がどうにかなると思っている「不器用」な奴はおれたちの周りに蔓延っている。彼らが定年退職するまでのあと約十余年、おれたちはいやでも関わっていかなければならない。そしてうまく共存するためには、彼らが変わるのを期待するのではなく、まだ脳味噌が柔らかいおれたちが、『こんにちはおじさん』のようなキツい人種を受け入れていくしか道はない。その一歩は小さいが、人類にとっては大きな飛躍である。おれはそう信じながら、今日も『こんにちはおじさん』のもとで働くのである。

 

 

草々

 

 

 

 

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みんな違ってみんなクソ

最近びっくりしたことがあって、そのことについて感じたことや思ったことを殴り書いていこうと思う。本来の雑記ブログとして初めて機能するやも知れない。

僕はツイッター芸人なので1日に30時間ツイッターに張り付いているんだけど、なんでこんなに張り付いているのかというと、政治経済の話や最新のスポーツニュース速報などが手軽に入手できるからであって、決して美人や可愛い人の自撮りや他撮りを閲覧できるからではない。芸能人に限らず、一般素人の美人の画像を貪るためではない。グラビアアイドルの少しエロみのある写真をカメラロールに保存するためにやっているわけではないし、推しのアイドルのツイートにすぐさまいいねしたりリプを送ったりして認知をもらうためでもないのである。僕がツイッターをし続ける理由を知っていただけたと思うのでここから本題に入る。

その日も29時間程度はいつものように株価情報アカウントや世界情勢ニュースアカウントなど色々な有益情報アカウントをサーフィンしていたのだが、とある女性アカウントのツイートが自分のタイムラインに流れてきた。内容は「アマゾンの欲しいものリストはこちらです!」というニュアンスでリンクが貼られているものだった。ぼくは疑問に思った。なんで?自分の欲しいものリスト載せてどうするんだろう。すごく純粋な疑問だった。少し気になったのでその人のアカウントを見ると、フォロー数200、フォロワー数5000くらいのアカウントだった。フォロー数に対してやけにフォロワーの割合が多いなあ、なんでだろう。興味を持って過去のツイートを遡ったら、自撮りを定期的にpostしている模様だった。憶測換算で月に数回程度。彼女はとても綺麗だった。出るところは出て、締まるところは締まっているスタイルのよい美人だった。他のツイートを見てみた。「昨日は〇〇クンと久しぶりに会って性欲が溢れちゃった」「浮気はされること自体よりその時間を考えるのがしんどいうんぬん」「今日から秋服(ピタピタニットおっぱい強調自撮り)」というような、ここでは少し内容はボカしてはいるが、エロみ成分と自分の恋愛持論を同程度に織り交ぜつつ、大半は日常の出来事をランチやディナーの写真とともにpostする感じだった。また、自分の過去のプチバズりした恋愛持論ツイートをプロフィール欄に固定していた。顔や体全体の写真をあげたりしているが、別段モデルなどをしているようではなさそうだったので、そこまで自分を売り込む必要はなさそうな都内在住のOLだった。まあ、そのような親しみやすさをキャラ設定しているのかもしれないけれど。そういった人物像が自分の脳で構築された上で、僕はその人の過去のツイッターを漁った。すると驚きのつぶやきが現れた。「これは私のオタクがプレゼントしてくれた〇〇だよ!オタク!本当にいつもありがとう!!」

私のオタク?アイドルでもないのに?どういうこと?気が動転した。いや、考えたくなかったという言葉の方が今回ばかりは正しい。最初に欲しいものリストのリンクが貼られていた時点で僕が感じていた『闇』は、稲葉篤紀のほっぺたよりも黒くて残酷なものであった。そう、本名も職も全く知らん一般の女に、全く関わったことのないような知らんフォロワーの男が、プレゼントをしていたのだ。僕はびっくりしてしまった。そしてしばらく面食らった後に感心もした。この構造はすごいなと。言葉で語りつくせぬ根深い問題なのではないかと感じた。

まず、男。どういう感情?どういう感情で物を送っているんだ?

アイドルのように行けば会えるわけでもなく、歌って踊るわけでもない、本名も知らない、もっと言えば本当に女かどうかもわからないアカウントに、おそらく大半の人は自分の身銭を切ってプレゼントを送りつけたりはしない。プレゼントを送ればその女が自分に振り向いてくれると思っているのだろうか、それともその男は腐るほど所得があってお金の使い道がわからないためアマゾンサンタクロースと化して若い女のアカウントにプレゼントをして回っているのだろうか。きっとそうだろう。そうだよな?そう思わせてくれ。どっちにしろ、何か自分に見返りや利益が無い限り、同性異性関係なく、物をプレゼントしたり買ってあげたりしない自分にとっては、その行動が全く理解ができなかった。理解するつもりもないがしかし、その行動を認めることは大事だと思う。君たちはすごい。やろうと思ってもできないよ。その行動力をオラにわけてくれ。悟空、早くきてくれ。

次に、女。お前もどういう感情?

でもまあ、もし自分も美人に生まれていたらチヤホヤされたいし男に囲われてみたいと思ったりもする。美人は何をしてても絵になるし、持っている武器は使っていくべきだと思う。大きな胸元も積極的に強調していくべきだと思う。美人は自分のことをめちゃくちゃアピールしてほしい。美人の自撮りを見ると荒んだ心が浄化され、野に花が咲き、空は青く澄み、経済は流動して人類に平和が訪れると言われている。いつもありがとう。いや、ありがとうございます。でも、もし自分の付き合っている彼女が裏アカで自撮りと自己流恋愛指南を晒して脳みそがタピオカで生成されているような大量に湧いた有象無象ナオンから爆ファボを貰って気持ちよくなってニタニタしてたら、ものすごくしんどい気持ちになってしまう。「私は男女関係なく人気のある説法ツイッタラーなのよ」みたいな風を吹かせていたら、2度とスマホに触れられないようにトンカチで親指を粉々にするかもしれない。人差し指も。そもそも『ツイッタラー』ってなんなんだ。語感が気持ち悪すぎる。少し話が逸れたが、でもまあ、恋人がもしそうなったらまた別の美人の女の自撮りをみて心を癒すだけだ。美人の自撮りPDCAサイクルに巻き込まれて死にたい。 

全然無名の女YouTuberも、最初はただ「〇〇やってみた」系の動画を上げ続けていたのに、温泉入ってるレポ動画をアップし出した瞬間に再生数が爆伸びしているという事例もある。YouTubeの同様手口に関していうと、巨乳の女がピタピタニットを着て顔は晒さずに手元と胸元だけを映した定点カメラでピアノ弾いてるだけでウンジュウマン回再生という事例をみると、考えさせられるものがある。いや、まあ、もちろん曲の演奏がとても素敵だから再生しているのだろうけど。もちろんそうだよね。それはそう。理解するつもりもないが、認めることは大事だと思う。男の性欲はお金を動かす。それでいい、それだけがいい。男として恥ずかしくなる瞬間もあったりするが、こんなにわかりやすい生き物は他にいないと思う。認めよう、話はそこからだと思う。

美人は今すぐにネットに自撮りを晒していこう。ほしい物リストのリンクを固定ツイートにして、自分のフォロワーからプレゼントを送ってもらおう。これが新しい自撮りライフハック、令和の生き方なのではなかろうか。

正直なところ、めちゃ羨ましい。美人はなにをしてもお金になるんじゃないかとすら思う。これは決して言い過ぎではないと思うんだ。羨ましいし、なんかちょっと悔しい。グッドルッキングなだけの飽食レディースが、俺たちのツイッターで暴れまわっているこの状況を指を咥えて見ているだけでいいのか。現実から逃げたくて、匿名で登録して、現実世界ではモラル的に言えない罵詈雑言をフォロー200、フォロワー0のアカウントでぶちまけるのがツイッターの正しい使い方じゃないのか。ムカつく上司や芸能人のヘイトを世界中に発散するのが正しい使い方じゃないのか。経済ニュース?社会問題?こちとらそんな現実問題を見るためにツイッターをやっていない。現実から逃げたくてやってるんだ。待て、彼女達ももしかしたら現実世界で相手にされないからツイッター上でモテアピールをすることで自我を保っているのかもしれないな。なんだ、お前も俺と同じで、現実から逃げてきただけなのか。辛かったね、もう大丈夫。トンカチならあるから。さっきワークマンで買ってきたから。

人にはそれぞれの生きがいや大義名分があり、それを邪魔する権利は他人にはない。普通はこうだから、常識的にこうだから、とかそういうのはもう大丈夫です。色んな人がいる。最近、どんなものも認めることを意識し出したが、おかげでだいぶ気持ちに余裕がでてきた。ツイッターにのさばる説法女や誰に怒ってるのか全く分からんクソリプおぢさん、YouTubeに蔓延る巨乳女やエッチ系質問インタビュー派手髪男、全員それぞれの正義の元に行動している。それでいいと思う。行動すらしていない自分は指がふやけてシナシナになるまで咥えて舐め回して吸い続けるのみ。然るべき報いだ。

小学3年生の時、道徳の授業で討論をした。将来住む場所は田舎と都会どちらが良いか、そんな内容だった。クラス35人のうち、田舎暮らし派が32人、都会暮らし派が2人、欠席が1人、僕は圧倒的に少ない都会暮らし派だった。クラスを取り仕切るヤマオカ(仮名)が田舎派になったことで、何も自分で考えられない有象無象のクラスメイト達は、ヤマオカがそっちなら絶対そっちの方が正しい、きっとそうに違いない!と言った面持ちでその頃から他人の顔を伺っていた。僕はそれが本当に気持ち悪かった。こいつらは自分の意思判断がないのか。ヤマオカは先生に対する模範解答が得意な奴だった。小3にして教師におべっかを使っているのが気持ち悪くて仕方がなかった。ムードメーカーで、運動神経も良くて、僕の気になっていた女の子とも休み時間に仲良く会話して、下の名前で呼び合っていた。陽キャだった。でも不細工だった。俺はそんなブスのヤマオカがめちゃくちゃ嫌いだった。都会暮らし派になりたいよりも先に、ヤマオカとは絶対に同じ意見になりたくないと、密かに反旗を翻した。田舎の方が空気も澄んでいる!自然がたくさんある!となりのトトロみたいな世界が好き!ヤマオカは言っていた。ヤマオカ党の有象無象は自分には関係ないとばかりに俯いていた。都会に行ったら色々なお店があるし色々なものを食べられるよ。僕は反抗した。ちなみに少数派のもう1人はどんな奴だったか忘れた。それほどまでに、味方の数なんてものはどうでもよかった。俺はただ、クラスを牛耳っていたヤマオカにひと泡吹かせたいだけだった。気持ちはさながら飛信隊だった。当時の担任はそんな僕の熱いスピリッツを感じ取ってくれたのか、都会暮らし派の猛烈な後押しをしてくれた。1人の大人、しかも担任の教師が敵軍に寝返ったことで、ヤマオカはあきらかに動揺していた。先生が求める意見は田舎で暮らすのんびりとした暮らしじゃないのか?鳩が豆鉄砲を食ったような、まさにそんな顔だった。僕は気分が良かった。認められた気がした。そうか、これが承認欲求ってやつだったんだ。今ならわかる。認められることはとても気持ちが良いものだ。ただしそれは、自分が本当に押し通したいまっすぐな信条が認められた場合のみに出る脳内麻薬だと思う。SNSでフォロワーや囲い集団におべっかを使って得られるものとは、また少し種類が異なるのではないかと思う。僕はあの道徳の授業を忘れない。そして人生であんなに都会のことを考えたことはなかった。今はというと、結局あの頃から一歩も地元を離れることなく大人になって田舎暮らしをしている。空気も澄んでいて自然がたくさんあって水が美味い。田舎最高。むしろコイサー。これからもずっと住む。そして願わくば僕も、匿名でツイッターをやり直し、 欲しいものリストを貼り付けて女オタから物資を調達していきたい。これを当面の目標として生きていこうと思う。誰も自分のことを知らない場所に行きたくなること、たまにない?あるよね?でも現実的には難しいから、インターネット世界でそれを疑似体験したいと思う。自分の腕っ節で『ほしいもの』を手に入れていくぞ。時は来た。それだけだ。ツイッター愛してる。ブログもやり直そうかな、まあなんでもいい。ぼくを認めてくれ。

 

P.S.         年内に結婚します

 

  

草々

 

 

 

GREAT TOOL ショートネールハンマー 8オンス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大切なことは全てダークソウルが教えてくれた

普段の僕といったらソーシャルゲームやTVゲームなどには手を出さず、忙しい仕事の合間を見つけては読書に勤しむことで年間30000冊の本を読む思慮深い男ではあるのだが、ここ3,4ヶ月ほどでプレイしていた家庭用ゲームがある。「ダークソウル」という作品をご存知であろうか。

DARK SOULS (ダークソウル)(特典なし) - PS3

昔スロットで勝ったあぶく銭で勢い任せに買ったPS3がまだ僕の部屋では現役稼働中で、なぜかゲームソフトは1つもない。トルネというテレビ録画機能付きのハードだけがつけてあり、あとはBlu-rayの再生用機器として存在していたのだが、この度しっかりと本来の役目を果たす時がきた。友人に話すと、俺もやりたいと言ってくれた。1人では心もとなかったのでとてもありがたかった。
このゲーム、簡単に言うとクソ難しい。個人主観だけれども、ゲーム素人だしセンスが全くない僕にとってはあり得ないくらい難しい。超簡略的に説明すると、敵を倒しながら経験値を貯めて自分や武器のレベルアップをしてボスを倒していく、というシンプルなアクションゲームなのだけれど、それがマジで難しい。
まずめっちゃ死ぬ。何回も死ぬ。道中の雑魚キャラが強すぎて何十回も殺される。ボスには何百回も殺される。死んだら今まで頑張って倒した経験値が0になる。なのでレベルが上げられなくなる。無くした経験値は死んだ場所まで取りに戻らないと復活しない。経験値を無くしたまま取りに戻れなかったら今までの経験値は完全になくなる。道中でセーブができず、チェックポイントまで行かないと休憩ができない。一度休憩すると今まで倒した雑魚キャラが復活する。マップが複雑で自分が今どこにいるかがわからなくなる。地図などはない。とまあ大まかに挙げるとこんな感じである。雑魚キャラが強いという矛盾を生み出すゲームに僕は初めて出会った。興奮した。週5日働いて2日休むだけの同じことを繰り返してきた僕に刺激を与えてくれた。自分より明らかに強い敵を見たときに思わず笑ってしまう戦闘民族の気持ちがわかった気がした。超えたい。この壁を超えていきたい。高ければ高いほど登った時気持ちいいもんなと心の中のミスチルが僕を戦いに駆り立てた。何度も死んだ。何度も戦った。理不尽とも言えるようなハメ殺しをされてコントローラーをねじ切ろうとしたことは1度や2度ではなかった。その度に友人に止められた。会社でほぼ無言のぼくが感情を剥き出しにした。ふざけんな!クソが!ぜってえぶち頃す!覚悟しろやゴミ野郎!は?このゲーム作ったやつ頭おかしいだろ!今の当たってなかっただろうが!ああぁぁ!どうしてだよおぉぉぉ!!

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合計の死亡回数のようです


シリーズが1,2,3あるけれど、2まではクリアできました。

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ダークソウル2の総プレイ時間です


めちゃくちゃ難しいけれども、ボスを倒した時はかなりの達成感があった。このシリーズにハマる人は基本的にM体質だと思う。

そしてつい最近、会社で受けた健康診断の結果が来た。今まで一度も注意喚起などはなく、健康そのものだった身体だったが、今回は一つの項目でE判定と診断された。Eというのは精密検査が必要となるくらいのレベルらしく、早めに医師の診断を受けろと言うことだった。両親が高血圧だしそれか?いや、酒の飲みすぎで肝臓の機能が悪くなったのか?と思ったが、結果はそうではなかった。

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コレステロール数が低すぎるとのこと

コレステロールが低い??多すぎるよりいいじゃん。なんだびっくりするじゃんやめてよもう。
いや、でもE判定ってなんだろう、ちょっと怖いしとりあえずインターネットで調べてみると

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攻撃的な言動精神不安定に結びつくようだった。心当たりがあり過ぎる。

ダークソウルは、理不尽なことが身に降りかかっても耐えうるブラック企業耐性、なにかを成し遂げた時の達成感、そして自分の健康状態に警鐘を鳴らしてくれる最高のゲームなのだ。


草々


これからの歯列矯正の話をしよう

とても久しぶりにブログを書こうと思う
とてもとても久しぶりな歯列矯正のお話

前回までの記事↓
simerma.hatenablog.com
simerma.hatenablog.com

最新記事から1年経ってる時点ですでになんの説得力もタイムリー性もない話題ですね、大変申し訳ない。そもそもだれも見ていないと思うので誰に謝ってるのか分からないけれども、とりあえず謝っておきます。すんまそん。

新しく記事を書くに寄せて、改めて自分で過去記事を読み直したけれど、抜歯をしただけでまだ矯正装置すら付けていないままで笑ってしまった。モテたいから矯正するって宣言してただ歯を抜いただけの男のブログを誰が見るんだ。

実際に装置をつけ始めたのは実は2017年の夏ごろなので、もう1年半くらい経ってます。医者からは2年間が目処だと言われてたので、もう後半戦ですよ。キックオフの笛すらなっていないままいきなりハーフタイム挟んで後半戦。呆れてものも言えん。ふざけたロスタイムですよホントに。

普通の矯正ブログなら、1ヶ月毎とかに自分の歯並びの写真をあげて経年変化を交えながら図解していったりすると思いますし、そうあるべきだし、そうじゃないとこれから歯列矯正を考えてるひとにイメージが湧きません。「本当に治るんだ」「迷っていたけどやっぱりしようかな」そういった人にすこしでもオススメしていければなと思っていたけれども、生憎ぼくはダチョウ倶楽部のメンバーではないのでそう簡単に人の背中は押せませんでした。



いや、でもね。
着々と治ってきてますよ、歯並び。


抜歯をした分の歯の隙間はもうほとんどないし、リアス式海岸(前々回記事参照)のようだった下顎の歯並びも、離島のプライベートビーチが如く穏やかになりました。海岸線の名前は思いつきませんでした。

ですがここまでの道のりは決して平坦ではなく、枕を涙やよだれで濡らす日々もたくさんありました。(歯並びが悪くて口がしっかり閉じられないので)

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一般的な矯正装置

冷静になって考えてくれ。歯の周りにこんなメカメカしいものがずっと付いてるんだぞ。狂気でしょ。
凶器でしょ。見た目もちょっとイカついし。
見た目は別にいい、食事よ、問題は食事。メシ食うたびに早く歯を磨きたいと思いながら食う。なぜなら食べたものがめちゃくちゃ歯に挟まるから。しんどすぎてどうにか誰かとこの思いを共有したくて、こんなランキング記事を書いてしまった始末。

simerma.hatenablog.com

誰もわかんねーよこんなランキング。矯正経験者すらわかんねーだろ。

毎月歯医者を予約しては歯を締め付け、予約しては歯を締め付ける日々。正直しんどい。歯医者行った後の2日間くらいはまぢで痛い。まじじゃなくてまぢ。知ってますか?歯が痛いのって本当にテンション下がるんですよ。筋肉痛とか、腹痛とか、身体のあらゆる痛みを皆さま経験されてると思われますが、歯の痛みはトップクラスでテンションが下がる。知らなかった。知りたくもなかった。


でもその痛み辛み妬みを乗り越えて約一年半経った今、初めて自分の口内環境を晒そうと思いますよ。
全部終わったら結果報告だけしようかと思ったけど、自分への戒めと今後のご健勝をお祈りして、今このタイミングで晒します


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左:2018年1月 右:2019年1月




どうですか!!






いや、青ひげがキモいとか言うのほんとやめてほしいちょっとだけ気にしてるから

口元は結構良くなってないですかコレ?え?思ってんのおれだけ?

歯ってこんなに動くんですね、知りませんでした。僕はアラサーなので1年間でこれくらい整理されていますが、やはり永久歯の生え変わった直後とかの子供時代に装置を付けるとコレよりもめちゃ動くみたいですね。すげえなあ。



で、今の普段の僕の口の中がこういう状況です



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なんで口の中であやとりしてんの?


ワケわかんねー!なんだよコレ!口全然開けらんねーし!


なんかすごいキツい輪ゴムみたいなものを用意されて飯食ってる時以外コレつけてないと真の歯並びマイスターになれないよと医者に言われたので仕方なく普段はこんな感じです。いや、綺麗な歯並びを手に入れるまでの道のり険しすぎるでしょ。接客業から転職してて本当によかったぜ。一発であだ名つけられそう。妖怪人間アヤ・トリ的な。我ながらネームセンスなさすぎるな。



というわけで(?)輪ゴムの着脱の面倒臭さへのイラつきから久しぶりにブログを書きました
タイトルはマキシマムザホルモンの新書のテーマをオマージュしました
今年は頑張ってもうちょっとブログ書きたい
次回の記事はメンズのヒゲ脱毛についてです。嘘です。




草々。







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N番煎じ目の無印良品ヌメ革二つ折り財布レビュー

もはや1人の社会人男性が歯列矯正の模様を書き綴るだけのブログと化していましたが、今回は全然違う内容です。今回は僕の好きなことの一つについてちょっと書かせてください。


僕は革製品が好きです。
革財布とか、革靴とかの革です。皮ではありません。皮と革の違いを説明すると、

皮→動物の肉、植物の身を包んでいる皮膚を剥ぎ取っただけのもの
革→その剥いだ皮を加工したもの

らしいです。賢さが上がりました。ちなみにぼくはまだ皮好きの人に出会ったことがありません。


何年か前に「無印良品のヌメ革財布のコスパが良い」みたいな記事をどこかで読んだ覚えがありました。この場合のコスパとは、安さの割に革製品としての質が高いということを指します。

革製品はよく「使えば使うほど味が出てくる」といいますよね。「経年変化」って聞いたことありませんか?革製品の最大の特徴であり、僕が好きになったきっかけでもあります。読み方は「けいねんへんか」です。また賢さが上がりました。

革製品の良さについて書くという内容にかこつけて自分の性格を少し語らせてもらうと、「あまのじゃく」で、人と同じことをしたくない、同じものを持ちたくない、というような誰に対してかもわからない謎の反社会的思想が昔からありました。まあでもこの気持ちは誰もが思春期に一度は感じた経験があるのではないでしょうか。歳を重ねるにつれて大多数の人はそんなこと気にしなくなると思いますが、齢26、私は未だに思春期を抜け出しておりません。
わかりきっていることを確認しますが、四捨五入したら30歳です。でもですね、十の位を四捨五入したらまだ0歳です。見た目はおっさん中身は乳児です。僕はそんな男です(?)


本題に戻ります。

その、経年変化で段々に自分だけの色味、自分しか持っていない唯一の革財布になっていく、という感覚が、あまのじゃくな自分をワクワクさせてくれました。(あまのじゃくの使い方が合ってるかは謎)

無印のヌメ革財布の記事を読んだことをちょうど今から1年前くらいに思い出した僕は、猛烈に革財布への愛が芽生え、来る日も来る日も考えるのは革のことばかり。良く晴れた日も、嵐の日も、家でゴロゴロしながらYouTubeを見ているかけがえのない瞬間も、革に対するその気持ちは決して経年変化することはありませんでした。

そしてその恋にも似た気持ちはカタチとなります。想い続けた無印良品のヌメ革財布を購入。
それがこちら↓



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金で愛は買えます。

まだ何も汚れていない繊細でピュアな少女のような色味。駆け出しの地下アイドルのようです。
ファンの扱いで鬼にも蛇にも変わります。清純派に育つか、はたまた過激派か。マネージャーの裁量が問われます。オラ、ワクワクすっぞ!



期待に胸を膨らませながら1ヶ月が経ちました。
その写真がこちら↓



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いい感じだ!

写真の取り方に多少の難はあるものの、1ヶ月しか経っていないのに色味がついてきているのがわかります。「なぜ購入時に撮った写真と同じ白いテーブルで撮らないんだ」「対比させようとしているのに背景が違うから判断しかねる」「同じ条件、構図で撮らないなんて頭沸いてんのか」「話にならない」「解散です」などの声が聞こえてきます。でもね、一つ言わせてください。

全くその通り。

可能性としては、そうですね、例えば矢◯真里がまた正統派アイドルとしてカムバックし、ミリオンヒットを叩き出すくらいに薄いものですが、もしこの記事を読んで僕と同じように無印のヌメ革二つ折り財布の購入を考えているような方が見ているのだとしたら、それは本当に申し訳ないとしか言えません…
もう少しわかりやすい写真じゃないとてんで説得力にかけてしまいますよね…すんません…
ぜひあたたかい目で見てください… というかこんな見た目おっさん脳内乳児の記事を真面目に見るな。心を広く持ってくれ。



続いていきましょう。


2ヶ月後の写真がこちら↓

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撮り方、構図、背景全てが見事にバラバラで一貫性がまるでありません。
もうそこはカメラマンの個性と思って各自で処理してください。

革の様子はというと、やっぱりけっこう色味が付いてきてるんじゃないかと思いますね!

そしてこのタイミングで革のメンテナンスっぽいことをしました。
普段履いている革靴を磨くためのポリッシュとデリケートクリームというものです。革は激しく使っていくとどうしても劣化してしまいますので、この2つのクリームで栄養を補給させているというイメージです。靴用のクリームに効果があるのかはさっぱりわかりませんが、塗るのは楽しかったので満足してます。




ここから飛びます
使用開始から半年後の写真がこちらです



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めちゃくちゃ変わってる







いや、撮り方の問題もあるけどめちゃくちゃ変わってますよねこれ
これよこれ、これが醍醐味なわけですよ
カタチも色もいい感じに変化してきています、よしよしいい感じ!



使用から9ヶ月後

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使用から1年後
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左:使用1ヶ月 右:使用1年
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使用から1年でこんなに変わりました!!
流石にこれはカメラの問題ではない!そうでしょう!素晴らしい!

ありがとうございます!ありがとうございます!!


購入してよかったです。これだけ経年変化を楽しめるお財布が無印良品で手に入るし、そしてお手頃価格。いくらかは忘れちゃったけど確か7千円くらいだった気がします。
今回のものはあくまで自分の一例ですので、使い方や、お手入れなどをもっとしっかりやっていればもっと光沢のあるアメ色になったりするんじゃないかなと思います!ネットで調べたら結構このヌメ革財布の経年変化を楽しんでる方はいるみたいですので、興味がある人は見てみましょう!



僕は最近新しい財布をプレゼントにもらったのでこれからはそっち使います!!!!!!!!
ありがとうございました!!!!解散ッ!!!!




草々!

歯列矯正中の歯にはさまる食材ランキング2018

今回は大好評(?)の歯列矯正エントリから、はやくもスピンオフ作品です。

simerma.hatenablog.com

simerma.hatenablog.com


過去の記事を見ていただいた方や、治療の経験がある方はお分かりだと思いますが、歯列矯正はただ何度も通院したり、普通に過ごしているだけでは綺麗な歯並びになりません。 矯正器具をつけている間には、単純に痛みを我慢するだけではなく、他にも乗り越えていかなければならない様々な障壁があります。

その中の一つが食事です。

普段何もなかった歯にいきなり人工物である金属のワイヤーが付けられるわけですから、食事の際は嫌でも気にしなければいけないわけです。そしてその食べたものが液状やゼリー状以外の固形物であった時、高確率でそのワイヤー本体や、ワイヤーと歯の間にはさまります。高確率というかほぼ100パーではさまります。

食後だと、歯磨きや歯間フロスで取り除くことでそのストレスからは解放されますが、食事の最中にはそういったことはできませんよね。一人で食事をする際にはそこまで気にならないかもしれませんが、多くの人の目がある外食や飲みの席などでは他人と対峙する場面もあるため、一瞬の油断が命取りになります。口元の気の緩みが一生の心の傷になったり、はたまた一瞬のチャンスを逃してしまう可能性もあるわけです。意中の人との初デートで歯になにかがはさまっている自分を見て欲しいと思いますか?また、見てしまった側の人間はどう思うでしょうか。ブリーフ&トランクスの曲のネタになることでしかその失敗は報われません。



青のり(Acoustic Live 2011)

青のり(Acoustic Live 2011)



そこで今回は自らの体験に基づいて、積極的に歯にはさまろうとしてくる要注意食材をランキング形式で紹介して生きたいと思います。
ブログ開設したらやって見たかったんだよなあ、ランキングのやつ。







第3位 ひき肉
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ハンバーグを中心として様々な料理に使われるひき肉が堂々3位にランクイン。

ハンバーグって元は小さくて丸っこいひき肉がグラム数に応じて固められた食べ物じゃないですか。
噛めば噛むほど固まってたひき肉たちが分裂していき、その分裂したひき肉のサイズがまあ歯の隙間に丁度いい。多分、僕たちが知らないだけでそういう設計になっているのだと思います。歯の隙間にはさまりやすい設計。あの日見たひき肉のカタチを僕たちはまだ知らない。
抜歯をした後にハンバーグを食べた時は、抜いた歯の部分にそのままハンバーグが形どられたりしました。手軽に歯を再生した気になりたい方にはおススメです。
また、散々ディスっているように見えますが、ぼくは毎日食べてもいいぐらいハンバーグが好きです。愛しています。愛ゆえに人は悲しまねばならず、愛ゆえに人は苦しまねばなりません。聖帝サウザーもそう言っています。

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聖帝サウザー。愛深き男。


続いていきましょう。



第2位 鶏肉

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連続でお肉がランクイン。第2位は鶏肉です。
鶏の唐揚げ、ドチャクソに美味いですよね。ラーメンと並んで国民食に推奨したい。

でも矯正中は歯応えのあるものが食べずらい。常に金属で締め付けられているのでシンプルに痛い。その歯に唐揚げはあまりにも固すぎる。
しかし、硬さだけなら我慢すれば良いだけのこと。その硬さを補って余りある美味しさが唐揚げにはあります。問題なのは外側ではなく、噛んだ後の内側。

スジです。スジ。

めっちゃはさまりますね。ささみ系が特にやばいです。
これはひき肉のように抜歯した隙間にそのまま入ってくるタイプではなく、歯の隙間やワイヤーにはさまるタイプです。矯正をしていない人でも悩まされることはあるでしょう。
はさまりやすさ、献立に出てくる頻度、単純な美味しさ、全てのステータスが平均以上のバランスタイプです。第2位というのも納得です。


最後です




第1位 白髪ネギ

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白髪ねぎ、ハチャメチャに美味しくないですか?シャキシャキしてて、ちょっと辛くて、ごま油と和えるだけで一品の料理になるし酒が無限に進みます。どんなおかずにも合います。見た目も可愛くてインパクトもあってインスタ映えします。知りませんが。

しかしそのはさまりやすさは天下一品。
食後の歯磨きでは、食べた時から一切形を変えずにそのまま歯間やワイヤーに絡まってることもあります。噛んで小さくすることすら難しいということです。

細いフォルム、どんな形にもなる柔軟性、食事頻度、付け合わせの多様さ、食感…
全てにおいて他を圧倒し、堂々の第1位。
わかりやすくキングダムのキャラでいうと、龐煖(ほうけん)くらいの個人戦闘能力があります。



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龐煖(ほうけん)




惜しまれつつランク外の食材もありましたが、1〜3位までに総じて言えることは、全て僕の大好物だということです。だからこそ食べる頻度も多く、その分印象に残ったのでしょう。

以上でランキングは終了です。
見切り発車で作ったタイトル出落ちのランキングだったため文章を書くのが途中からだいぶしんどくなってきて画像をたくさん貼って繋ぎました。見苦しすぎる。
個人的見解でしかない糞ランキングでした。お粗末様でした。


草々。


『北斗の拳イチゴ味 世紀末日めくり まいにちサウザー!!』(仮)

歯のお話②

めちゃくちゃ普通に生きている20代男性が綺麗な歯並びを手に入れるまでの日記

第2部です

前回記事↓
simerma.hatenablog.com



最寄りの歯科矯正医院に足を運びました。

おそらく皆様は普段の生活で気にしていないでしょうが、歯科矯正医院の数は意外に多いのです。その中で僕が選んだ歯医者は、実際に施術した患者さんの声やビフォーアフターの写真を交えたページが充実しているところでした。

完治までの期間としては約2年間。費用はクリニックによって多少の差異はあるようだが約60〜100万が相場といったところ。

基本的に初回は無料相談をしてくれるのが一般的らしく、自分が選んだところもそのシステムを導入していました。

大まかな流れとしては

1.無料相談
2.検査
3.(抜歯)
4.装置装着

といった感じです。

検査は、レントゲンや歯型をとったり、顎や唇の強さなどを測定するもので、医師がどのように矯正の処置を行なっていくか判断するための材料集めようなものですね。

抜歯は、軽度の処置で済みそうな歯並びの人はやらなくても良いとのこと。ちなみにぼくの場合は無料相談の時点で「君の歯並びを治すには4本は確実に抜くっすよ(笑)」と院長に宣告されていたのでこの手順からは逃れられません。

無料相談は、そういった手順の説明、矯正におけるデメリット、すぐに結果は出ない長期的な治療となるため、医師との意思関係(←)が大事になってくるとお話を伺いました。デメリットは、装着したり月に一回施術した直後は痛みを伴うことや、歯肉と歯の間に隙間ができてしまう可能性があること。そんな小規模なことで躊躇はせずに二つ返事で矯正治療を行うことにぼくは決めたのでした。

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後日検査も行なってその結果が出ました。
やはり抜歯は4本必要で、下顎が平均の成人男性より下がっているので前歯が通常より突出しているらしかったけれども、これはまあ器具つけて治る範囲とのこと。
抜歯をする歯は先生が決めます。基本的に犬歯は抜かずにその一つ奥あたりの歯を抜くのが一般的らしく、自分の場合もそうでした。
出ていた歯を収めるスペースを確保するための抜歯です。
抜歯後はまず、抜いたところを埋めるようにして器具を設置し、隙間が詰まってから全範囲を器具で覆っていき、綺麗に整えていきます。この装置をつける期間が約2年間。果てしなくない?

ざっくり言うとこれが大まかな歯列矯正の流れ。
検査時に撮っていたレントゲン写真を見ながらドクターが話を続けます。

ド「撮ったレントゲン見てみましょう」

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僕「自分の歯ってなんか気持ち悪いっすね」
ド「そうですね(笑)まあ歯並びは良くなりますけど、ここをみてください」

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僕「」
ド「親知らずがだいぶヤンチャに生えていますよ(笑)まあ抜いたほうがよいですけど、抜かなくても問題ないですよ」


問題がある角度にしか見えないけれども、「親知らず 抜く 激痛」で調べると血の気が引くような結果が出てくるので親知らずはそのまま放置して治療をすることに決めました。怖いので。
あと、親知らずを抜くとしたら上下2本ずつってことだし、すでにスタメンの4本は抜くこと確定してるんですよ。普通の生活してていきなり8本歯がなくなるなんてありますか?ないでしょ。三井寿じゃないんだから。


次の週から4回ほど別の歯医者に通院して抜歯をしてきましたが、これがまたしんどい。
抜歯、したことありますか?ぼくは初体験でした。やり方は、ペンチで力任せにゴリゴリ引っ張るだけです。アウトレイジじゃないんだから。

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https://www.swissinfo.ch/jpn/ より


抜いてる時にミシミシ音がするし、血は全然止まらないし、シンプルに痛いし、しばらくは涙で枕を濡らす日が続きました。

抜歯をした歯医者にも、矯正は痛いから頑張ってねと脅し続けられましたが、女の子から笑顔がステキと言われたいので頑張ります。さよならぼくの貯金。痛みを痛みでこらえよう。


草々。

FAKE METAL JACKET